中国留学情報

vol.202 留学する地域

大学の選び方について、
前回までは基本的な考え方や方法論を説明しました。

目的を明確化し、
その目的を実現するための条件を定める。
そしてその条件に合う大学を探していく。

この順番を必ず守ってください。
いきなり大学の情報を見るのはアウトです。
大学に求める条件も決まってないのに、
大学の情報を漠然と眺めても大学を選ぶことはできません。

まずは条件を明確にする。
そして、その条件に合うかという基準で、
大学の情報を見ていってください。



さて、「条件を定める」とは言うものの、
、いったいどんな条件があるのか?
留学する大学にどんな条件を求めれば良いのか?
今回からは具体的な条件を見ていきます。

初回は「留学する地域」について考えてみましょう。



地域についてお客様からいただくご希望で多いのは、
主に次のようなものです。

●歴史に興味があるので西安
●標準語を勉強したいので北京
●寒いのが苦手なので南の方
●現地での就職を考えているので上海
●少数民族に興味があるので雲南省
●親が高齢なので日本からの直行便がある街
●治安の良い地域
●生活に便利な街
●交通の便が良い地域


せっかく留学するわけですから、
やはり地域は気になりますよね。

問題はその妥当性です。



まず「標準語を勉強したいので北京」
これがまったくの間違いであることは、
1ヶ月ほどのメルマガで紹介した通りです。


次に「就職を考えて上海」
これは前回のメルマガで説明した通りです。
1年を通じて上海にいる必要はありません。
2学期目だけでOKです。


それから「少数民族で雲南省」
これが微妙なんですよ。

「省」って日本の「県」に相当って思いますよね。
なので雲南省は栃木県や福岡県みたいな。
そんなふうに考えるじゃないですか。

ところがですね、
雲南省って日本よりも広いんです。笑

その雲南省が見渡すかぎり山の中で、
少数民族が民族衣装でウロウロしてる、って。
そんなわけありませんよね。

しかも留学できる大学が集中しているのは、
省都の昆明市です。
昆明ってどんな街だと思います?
実は人口600万人の大都市なんです。

高層ビルがあちこちにあり、地下鉄も走ってます。
私は昆明は何度も行っていますが、
市内で民族衣装を着ている人は一度も見たことがありません。

まぁ確かに、少数民族地域に
アクセスしやすいってのはあるかもしれませんが。
昆明に留学すれば少数民族文化に日常的に触れられる。
そういう過度な期待は持たないほうが良いです。


治安については前回のメルマガで紹介した通りです。
どこでも安全です。

交通の便についてはこのあとの記事で紹介します。
どこもそれなりに便利です。


生活の利便性についてですが、
大学があるような街ですからね。
どこもそれなりの規模なんです。

大きいスーパーは必ずありますし、
大学の中にも小規模のスーパーはあります。
ですので、普通に留学生活を送る分には、
特に不自由をすることはありません。



寒さ、暑さについて。
これはかなりの難問です。

寒いのが苦手なので北方は避けたい。
で、上海に行く。
ところが上海など華東地区は石油暖房がありません。
あるのはエアコンだけです。
壁にも断熱材は入ってない。
けっこう寒いんです。

さらに南を目指して広州へ。
しかしなにせ広州です。
もともと暑い地域ですので、エアコンが冷房専用。
暖房機能が付いてなかったりします。

逆に北方はもともと寒い。
なので全家庭にセントラルヒーティングが付いていて、
冬場の室内は常時20度以上に保たれます。
室内にいる限り、かえって南方より温かいんです。

とは言うものの、
外に出ると最低気温がマイナス20度だったりします。笑


じゃぁ、暑さはどうなのかというと、
ハルビンでも夏の最高気温は30度を超えます。
期間は短いんですけどね。



さてさて、では地域をどのように絞るべきなのか。

一つ認識しておいていただきたいのは、
条件を増やせば増やすほど、
選べる大学が少なくなるということです。

地域を絞れば絞るほど、
学習環境などで妥協しなければならなくなる。


なのでやはり重要なのは優先順位です。


老後のセカンドライフ留学でしたら、
憧れの歴史の街、西安で留学ってのもOKです。

少数民族のフィールドワークをしたい。
そのためなら語学学習の環境を多少犠牲にしても良い。
ならば雲南省に限定でも良いでしょう。


ですがあくまでも語学習得が主目的ということでしたら、
地域の条件は一切なしにしたほうが良いです。
その方が選べる大学が増えますし、
学習環境で妥協しなくて済みますから。



よく「住めば都」って言いますよね。
人間ってけっこう強い生き物ですから。
行ったら行ったでそれなりに適応できるものです。

語学習得が第一という方。
ぜひ中国全土をターゲットにしてください。



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【今週のまとめ】
1) 雲南留学=小数民族衣装は幻想
2) 地域を絞ると選択肢が激減する
3) 語学習得目的ならば地域限定はなくすべし
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